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糸巻量の換算と、下巻き量の計算

リールを選ぶと、メーカーの公称糸巻量を起点に別の号数なら何m巻けるかと、下巻きが何m要るかを出します。計算はスプールの容積が一定という前提だけに頼った単純なもので、ぴったり当てるためのものではありません

この計算の中身

1. 換算の式

スプールに収まる糸の体積はほぼ一定なので、糸の断面積 × 長さが変わらない長さを求めています。

必要な長さ = 基準の長さ × (基準号数の直径² ÷ 目的号数の直径²)

公称糸巻量が複数(例:1-400/1.5-270/2-200)あるときは、 それぞれから求めた容積の中央値を基準にしています。1点だけを基準にすると、 たまたま丸めの粗い表記を引いたときに全体がずれるためです。

この式がどれくらい当たるかは、メーカー自身の公表値で答え合わせできます。 公称糸巻量を2つ以上出している機種について、一方から他方を計算して公称値と比べたところ、 ずれは中央値で0.9%、1割の機種では6.3%以上でした。 よく当たる機種と、1割近くずれる機種がはっきり分かれます。 この程度の誤差は前提そのものから出るもので、入力を細かくしても消えません。

2. 号数と直径の対応

一般社団法人日本釣用品工業会(JAFTMA)の釣糸JAFS基準「ナイロン糸・フロロカーボン糸・ポリエステル糸の標準直径」(JAFS-D1051100)の別表1を使っています。0.4号=0.104mm、0.6号=0.128mm、0.8号=0.148mm、1号=0.165mm、 1.2号=0.185mm、1.5号=0.205mm、2号=0.235mm、2.5号=0.260mm、3号=0.285mm、 4号=0.330mm、5号=0.370mm、6号=0.405mm、8号=0.470mm。 表にない号数は 0.165×√号数 で補っています(規格表自体がほぼこの形をしています)。

ここは正直に書いておきます。いま挙げた数値はナイロン・フロロ・ポリエステルの規格であって、PEの規格ではありません。 同じくJAFS基準の「PE糸の太さ標準規格」(JAFS-D10111002)直径ではなくデニール(1号=200d)で定めており、PEには標準直径が存在しません。 PEの号数を直径に読み替える作業は、業界で慣習的に使われている換算にすぎず、規格の裏づけはありません。 メーカー公表の実測直径も、たとえばPE1号で0.165〜0.171mmと銘柄ごとに違います。 このツールが出す数字を±1割はずれうる目安として見てください。

3. ナイロンとPEの換算(1.2倍)

下巻きにナイロンを使うときは、同じ容積でも必要な「号数×m」が変わります。 よく使われるのは1.2倍という数字です。当サイトでもこれを検算しました。 シマノ・ダイワが同じスプールについてPEとナイロンの両方の糸巻量を公表している401番手で、 公称値から求めた容積指数を比べると、ナイロン ÷ PE の中央値は1.19(下位1割で1.05、上位1割で1.44)でした。 慣習の1.2倍はおおむね妥当ですが、機種によって1.05〜1.44の幅があります。

そのため、このツールでは選んだリール自身の公称ナイロン糸巻量から出した係数を優先して使い、 ナイロンの公称がない機種だけ1.2を当てています。どちらを使ったかは計算結果の下に出します。 なお機種ごとの係数は、公称値の桁落ちなどで極端な値になることがあるため、 0.8〜2.0に収まる398番手でのみ採用しています。

4. 公称糸巻量そのものの前提

JAFS基準「釣用リールの仕様項目・表示・測定規程」(JAFS-D112040400)の別表1は、糸巻量を「表示糸を使用状態のテンションで規定量一杯まで巻く」と定めたうえで、「テンション及びスプール及び糸巻径は事業者の裁量に委ねる」としています。 つまり公称糸巻量は、どのくらいの張りで巻くか・糸の太さを何と見るかがメーカーごとに違う値です。 巻取長についても「計測方法については、事業者の裁量に委ねる」と書かれています。 メーカーをまたいだ比較では、この計算はさらに粗くなります。

公称糸巻量・スプール径は各メーカーの公表値(2026-09-23時点)。 ほかのメーカー公式ツールとしてはシマノの糸巻量計算ツールがあります。こちらは自社リールが対象です。