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糸巻量の換算と、下巻き量の計算
リールを選ぶと、メーカーの公称糸巻量を起点に別の号数なら何m巻けるかと、下巻きが何m要るかを出します。計算はスプールの容積が一定という前提だけに頼った単純なもので、ぴったり当てるためのものではありません。
見つかりませんでした。当サイトは現行モデルのみを収録しています。 また、メーカーがPEの糸巻量を公表していない番手はこのツールでは扱えません。
いま出ているのは例です。上の欄を打ち替えると、選んだリールの換算表・下巻き量に差し替わります。
この号数なら何m巻けるか
公称糸巻量から求めたスプールの容積を、そのまま別の号数に割り当てた値です。満タンはスプールエッジまで埋めた計算値、実用はその9割です。
| PE号数 | 標準直径mm | 満タン相当m(計算値) | 実用 90%m | 公称メーカー表記 |
|---|
「公称」の欄に値があるものはメーカーの表記そのままです。計算値がそれとずれている場合、 ずれの分だけこのツールの前提(容積一定・標準直径)が実際と合っていないことになります。
下巻きはどれだけ必要か
計算をそのまま信じないための4点
- 満タンまで巻かない。スプールエッジぎりぎりまで入れると、キャストのときにラインがまとめて放出されて絡みます。 公称値の9割前後、エッジより1〜2mm低いあたりで止めたほうが扱いやすくなります。 巻くときのテンションよりも実釣で巻き取るテンションのほうが弱いので、使ううちに糸は膨らみます。
- 同じ号数でも銘柄で実際の太さが違います。PEの号数は太さではなく重さ(1号=200デニール=9000mで200g)で決まる規格なので、 直径は編み方やコーティングで変わります。号数から直径を引く時点で、この計算はすでに近似です。
- 下巻きが足りないとカタログの巻取長は出ません。ハンドル1回転の巻取長は糸が満タンに近い状態での値です。糸が減って巻径が細るほど1回転あたりは短くなり、 下巻きをしないまま細い糸を少しだけ巻くと、カタログの数字より目に見えて遅くなります。飛距離も同じ理由で落ちます。
- 逆に下巻きが多すぎると、新しいラインが最後まで入りません。入らなかった分を捨てることになるので、計算値より少なめから始めて、巻きながら足すのが安全です。 下巻きは巻きたいPEより太めのほうが、細く硬いPEが沈み込まず食い込みにくくなります。
この計算の中身
1. 換算の式
スプールに収まる糸の体積はほぼ一定なので、糸の断面積 × 長さが変わらない長さを求めています。
必要な長さ = 基準の長さ × (基準号数の直径² ÷ 目的号数の直径²)
公称糸巻量が複数(例:1-400/1.5-270/2-200)あるときは、 それぞれから求めた容積の中央値を基準にしています。1点だけを基準にすると、 たまたま丸めの粗い表記を引いたときに全体がずれるためです。
この式がどれくらい当たるかは、メーカー自身の公表値で答え合わせできます。 公称糸巻量を2つ以上出している機種について、一方から他方を計算して公称値と比べたところ、 ずれは中央値で0.9%、1割の機種では6.3%以上でした。 よく当たる機種と、1割近くずれる機種がはっきり分かれます。 この程度の誤差は前提そのものから出るもので、入力を細かくしても消えません。
2. 号数と直径の対応
一般社団法人日本釣用品工業会(JAFTMA)の釣糸JAFS基準「ナイロン糸・フロロカーボン糸・ポリエステル糸の標準直径」(JAFS-D1051100)の別表1を使っています。0.4号=0.104mm、0.6号=0.128mm、0.8号=0.148mm、1号=0.165mm、 1.2号=0.185mm、1.5号=0.205mm、2号=0.235mm、2.5号=0.260mm、3号=0.285mm、 4号=0.330mm、5号=0.370mm、6号=0.405mm、8号=0.470mm。 表にない号数は 0.165×√号数 で補っています(規格表自体がほぼこの形をしています)。
ここは正直に書いておきます。いま挙げた数値はナイロン・フロロ・ポリエステルの規格であって、PEの規格ではありません。 同じくJAFS基準の「PE糸の太さ標準規格」(JAFS-D10111002)は直径ではなくデニール(1号=200d)で定めており、PEには標準直径が存在しません。 PEの号数を直径に読み替える作業は、業界で慣習的に使われている換算にすぎず、規格の裏づけはありません。 メーカー公表の実測直径も、たとえばPE1号で0.165〜0.171mmと銘柄ごとに違います。 このツールが出す数字を±1割はずれうる目安として見てください。
3. ナイロンとPEの換算(1.2倍)
下巻きにナイロンを使うときは、同じ容積でも必要な「号数×m」が変わります。 よく使われるのは1.2倍という数字です。当サイトでもこれを検算しました。 シマノ・ダイワが同じスプールについてPEとナイロンの両方の糸巻量を公表している401番手で、 公称値から求めた容積指数を比べると、ナイロン ÷ PE の中央値は1.19(下位1割で1.05、上位1割で1.44)でした。 慣習の1.2倍はおおむね妥当ですが、機種によって1.05〜1.44の幅があります。
そのため、このツールでは選んだリール自身の公称ナイロン糸巻量から出した係数を優先して使い、 ナイロンの公称がない機種だけ1.2を当てています。どちらを使ったかは計算結果の下に出します。 なお機種ごとの係数は、公称値の桁落ちなどで極端な値になることがあるため、 0.8〜2.0に収まる398番手でのみ採用しています。
4. 公称糸巻量そのものの前提
JAFS基準「釣用リールの仕様項目・表示・測定規程」(JAFS-D112040400)の別表1は、糸巻量を「表示糸を使用状態のテンションで規定量一杯まで巻く」と定めたうえで、「テンション及びスプール及び糸巻径は事業者の裁量に委ねる」としています。 つまり公称糸巻量は、どのくらいの張りで巻くか・糸の太さを何と見るかがメーカーごとに違う値です。 巻取長についても「計測方法については、事業者の裁量に委ねる」と書かれています。 メーカーをまたいだ比較では、この計算はさらに粗くなります。
公称糸巻量・スプール径は各メーカーの公表値(2026-09-23時点)。 ほかのメーカー公式ツールとしてはシマノの糸巻量計算ツールがあります。こちらは自社リールが対象です。